一戸建てを購入し、
家族を幸せにしようと
仕事に対して
「間違った頑張り」に励む旦那。
やたらと飲み会が増えて
帰りが遅くなる妻。
さあさあ、
状況が整ってきました。
でも、こんな僕でもね。
「妻への愛情は本物」
と思ってるワケ。
結婚する前に、
「爺婆になっても手を繫いでいよう」
と伝えたのですが、
その気持ちは変わっていません。
妻が飲み会で
連絡が付かなくなると
心配になるんですよ。
今思えばね。
妻もいい大人ですから、
放っておけば良いんでしょうし、
それで浮気するというなら
あとは、自分が判断・決断するだけ。
て、ことなんでしょうけど、
何しろ、当時の僕は
心がパンク寸前。(笑)
「絶対に誰にも渡さない!」
と、変な使命感に燃えています。
その日も飲み会で
遅くなるという妻に対して
やきもきしていたんですね。
例によって、
駅まで迎えに行く想定で、
帰宅時間を聞くメールを送る。
反応無し。
1時間くらいたって、また送る。
反応無し。
せっかく時間があるのだから
僕は僕で何か自分が好きなことに
打ち込んでいればいいんですよ。
でも、何しろ頭が妻のことでいっぱい。
完全に「非モテ」が恋を実らせたときの
典型的なハマり方をしてましたね。(笑)
・・・で、一方通行の
連絡を繰り返しながら
12時近くになった頃、
ついに電話が!
結果、
酔ってベロンベロンで何を言っているか
よく分かりませんでしたが、
その地方では大きい
ターミナル駅の名前が聞き取れました。
「迎えにいく。
また電話するから
詳しい場所教えて」
返事、なし。
酔い潰れた?
僕はとにかく車を飛ばして
その駅に向かいました。
だいたい、1時間はかからない距離感。
泥酔状態で電話してきたことは
過去にもありまして、
第一話でも書きましたが、
妻が複数の男性に酔わされて
ベロンベロンの状態で
飲み屋のトイレに籠もって
ヘルプの電話をしてきた。
なんて事もありましたので、
また危険な状況じゃないだろうな!
と、僕の心は千々に乱れていたのです。
で、向かう途中、
具体的な場所を知るために
電話しましたよ。
それも、なかなか繋がらず、
「なんなんだ!」
と、ついに、怒りの感情も
湧いてきました。
ターミナル駅に近付いた頃
ようやく繋がります。
相変わらずベロンベロンで、
会話になりませんでしたが、
唯一のキーワードが
「駅の・・・トイレ・・・」
プツッ
ツー ツー
駅の・・・トイレ?
またトイレか!
と思わなくもないですが、
冬でしたし、道端よりはマシか。
と気を取り直します。
ですが、ここで問題発生。
そのターミナル駅は、
JRと私鉄の両方が通っている。
「どっち?」
折しも終電直前で、
駅の営業も終わる時間。
これも後で考えたら、
もう少し待てば駅員さんに
追い出されたんでしょうけど。
その時は、
「自分の手で助ける!」
みたいな、謎の使命感に包まれています。
ほんとね。
「感情」の奴隷にだけは
なっちゃいけないと
現在の自分の戒めになりましたね。
「感情」に支配されていると
判断力など失ってしまいますから。
時間的に、
JRか私鉄かの2択で
迷っている場合じゃない。
「きっと私鉄だろう!
私鉄のほうが自宅に帰りやすいし
・・・変な状況じゃ無ければ
酔っ払った状態でも自宅を目指すはず!」
そう結論づけて、
私鉄駅の改札を通り、
トイレに向かいました。
で、女子トイレの前で
電話を掛けたのですが、
これまた反応が無い。
「やむを・・・えまい」
意を決しました。
人生初の女子トイレ突入!
「何が何でも妻を助けて連れ帰る」
このミッションの前に、
「常識」は砕け散りました。
4つくらい個室があって
一番奥だけ戸が閉まっている。
なぜか、そこに妻がいると
確信していましたね。
「○○、いるでしょ?
開けて」
なるべく優しく呼びかけながら
ドアをノック。
いやあ、
中にいるのが違う人だったら
僕の人生は変わっていましたね。(苦笑)
すると、
ドアが開きまして・・・
いたんです。
妻が。
グデングデンで、タイルに直座りして
壁に寄りかかっていました。
複雑な感情が絡みついてきました。
安心感?
失望?
単に、倒れている酔っぱらいを
見たときの、あの感情?
そして、
複雑な感情に包まれている
僕に向かって
妻は名前を呼びました。
「Kさん?」
その名前は、
僕ではないワケです。
ずばり、
それまでも
妻から聞いていた話の中で
何度も出てきていた
勤め先の上司の名前。
簡単に言うと、浮気相手候補の
筆頭だった男です。
ちなみに、その男が
どんな人物かというと、
会社で嘱望されている
若きチームリーダー。
外見は「向井理」似で
身長は180cm以上という。
女性向け恋愛ドラマに
出てくるような
イケメンで仕事もできる。
そんな人物でした。
もっと言うと、
モテモテだそうで。
様々な女性と付き合ってきたが
「人妻」というカテゴリーは
未開拓だそうな。
いやもちろん、正確には
会ったことはないので
妻のフィルターを通した
人物像ですが。
「Kさん?」
妻は、その名前を呼びました。
まあ、
なんか1周どころか
2~3周くらい回って
妙に冷静になったのを
覚えています。
僕は手を差し伸べつつ言いました。
「Kさんじゃないんだ。
ごめんね。
さあ、寒いし、うちに帰ろう」
ドラマだったら
ザコ役の優男が言いそうな台詞が
勝手に口を突いていましたね。
すると妻は、
僕の顔を見て、
第2の矢を放ってきました。
「あ・・・
大丈夫。帰って。
・・・Kさんが迎えに来るから」
その矢は綺麗に
僕の眉間を貫きました。
そして、追い打ちを掛けるように
妻の携帯にメールの着信音が鳴り、
そこには「K」の名前が。
これ、皆さんならどうしますか?
放って帰りますかね?
男女逆ならピンタくらいしますか?
僕は、この期に及んで
妻を助けて連れ戻すための
行動を取っていました。
まさに
「父親のような行動」を
取っていたとしたら
なんとも皮肉ですが。
「さあ、うちに帰ろう」
「大丈夫。帰って」
この問答を何度か繰り返しつつ
ついに、トイレから連れ出すことに
成功します。
てか、その男性にどんな連絡を
取ったのか知らんけど、
助けに来るとも限らないでしょうに。
駅の営業終了のアナウンスが流れる中
僕は、足取りままならない妻を連れて
改札を出たのです。
そんなこんなで
車で自宅に向かいます。
途中、Kからメールが
入ったようですが、
どうやら、
「どうしたのー?」
くらいで、
助けに来る気配は無かったようです。
もちろん、今思えばね。
助けに来ている「保護者」より
助けに来ない「王子」に
心を掴まれるのは
しゃーない。
というハナシですが。
当時の僕は、
「これで目を覚ましてくれれば」
と、願っていました。
さあ、
意図せず保護者として頑張るも
男としては土俵際の僕。
いや、とっくに
落ちてますよ。
土俵。(笑)
行司がいたら
「Kぇ~」
と軍配を上げています。
てなことで、次回
『土俵下からの反撃』(不可能)
へ続きます。
▼続きはコチラ
第六話 必ず証拠を!浮気現場でやるべきこと


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